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【フランスたより】 Vol.12#春の訪れを真っ先に告げる花、ミモザのお話

フランス東部ジュラ地方に近いディジョン在住のワイン研究家  菅沼はるみ様より、リュネット・ジュラの原点であるフランスの様々な楽しい情報をお届けして参ります。

 

 

今回は第12弾。

 

 

春の訪れを感じさせる花、ミモザについてのお話です。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

寒くて長いフランスの冬。

朝起きても外はまだ暗く、日の出が8時頃になるのは2月上旬です。

日本と違って、冬に青空が広がることはほとんどありません。

空はたいていグレーで、雨がしとしと、よく降ります。

 

まれに太陽が顔を出すと、冬でもテラス席がにぎわいます。

石畳は足元から冷え込みますが、しっかり着込んで、外でランチ、ティータイムという人が少なくありません。

 

 

 

フランスで、春の訪れを真っ先に告げる花といえばミモザ。

 

毎年、ディジョンのマルシェにミモザが並び始めると、まだまだ寒いけど春は近づいてきているなあ、とうれしくなります。

 

 

黄色くて丸くてふわふわの花はとてもかわいらしく、人気の的。

 

オーストラリア原産で、オーストラリア国花でもあるこの花は、19世紀にイギリス人によって南フランスに持ち込まれました。

南仏コート・ダジュールに避寒にやってきたイギリス人が別荘に植えたミモザは、土地に合い、その後どんどん増えていきました。

木は高さ15m以上にも成長します。

 

 

コート・ダジュールには、約130kmに及ぶ「ミモザ街道」があります。

 

ボルム・レ・ミモザから、香水で有名なグラースを結ぶミモザ街道沿いの各地では、毎年2月になると「ミモザ祭り」が開催され、黄色一色。

秋はブルゴーニュのぶどう畑が黄金色に輝き、春は南仏コート・ダジュールがミモザ色に染まり、フランスはとてもカラフルです。

 

 

 

 

 

ディジョンのマルシェには、季節になるといくつものミモザ屋さんが現れますが、その中で最も香り高くて気に入っているのは、南仏タヌロンからやって来るミモザ屋さんの野生のミモザ。

 

タヌロンにはヨーロッパ最大のミモザの森があり、自生、栽培、両方のミモザがあります。

 

 

 

さわやかでありながら甘く情熱的、そして少しパウダリー調の香りも感じられるミモザは、香水の材料としても使われています。

 

有名なところでは、ゲランの香水シャンゼリゼ。

発売当時のイメージキャラクターは日本でも人気のある女優ソフィー・マルソーだったので、記憶に残っている方もいらっしゃるかもしれません。

 

 

 

 

 

 

ミモザは、カクテルの名前としても知られています。

 

シャンパーニュにオレンジジュースを加えたこのカクテルは、アルコール度数が低めで口当たりもよく、昔から上流階級の間で好まれていました。

ミモザの花に似ていることから、1925年にパリのホテル・リッツで「ミモザ」と名付けられ、その名前が世界中に広まりました。

 

 

 

街で、ミモザ色のメガネをかけた素敵な人を見かけました。

春が待ち遠しいです。

 

 

 

 

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