フランス東部ジュラ地方に近いディジョン在住のワイン研究家 菅沼はるみ様より、リュネット・ジュラの原点であるフランスの様々な楽しい情報をお届けして参ります。
今回は第11弾。
フランスのチョコレートについてのお話です。
フランスに来て驚いたことは多々ありますが、そのうちのひとつは、スーパーマーケットのチョコレート売場の広さです。
こんなに必要なのだろうかと不思議に思うほど、たくさんの種類のチョコレートが並んでいます。
その大半はフランスでタブレットと呼ばれている板チョコで、フランスで消費されるチョコレートの三分の一を占めます。
板チョコの種類はとても豊富です。
ミルクチョコレート、ブラックチョコレートはもちろんのこと、ナッツ入り、フルーツ入り、キャラメル入り、フルール・ド・セル(塩)入りなどなど。
ごまや生姜、唐辛子が入っているものまであります。
特に人気があるのは、カカオ含有率の高いもの。
ずらりと並ぶ板チョコを前に、どれにしようかと悩んでいる人達をよく目にします。これらは、いわば、普段使いのチョコレート。
ちょっと美味しいチョコレートが食べたくなった時は、街のショコラティエ(チョコレート専門店)へ。
ディジョン中心街は、さほど広くありませんが、近年ショコラティエが増え、かなりの激戦地と化しています。
ショコラティエにはタブレットもありますが、一口サイズのボンボン・ショコラが主流。
お気に入りのボンボン・ショコラを探すのも、なかなか楽しいものです。
チョコレートだけ扱うお店、ケーキとチョコレート両方扱うお店、さまざまです。
日本でチョコレートが一番売れる時期はバレンタインですが、フランスはクリスマスと春の復活祭(イースター)です。
11月半ばを過ぎると、スーパーマーケットでは箱入りのボンボン・ショコラが所狭しと積み上げられ、日本では見たことがないような巨大な箱もたくさん並びます。
フランスでは、クリスマス時期にはお世話になった人にプレゼントをする習慣があり、その際にもチョコレートはよく用いられます。
有名なショコラティエだと、お店の外まで行列ができて、買うのも一苦労。
もうひとつのピークである春の復活祭では、卵、にわとり、うさぎ、魚などをかたどったチョコレートが店頭に並びます。
とにかく、老いも若きもフランス人はチョコレートが大好き。
一人あたりの消費量で見ると、日本人は年間約2キロ、フランス人は年間約7キロを消費しています。フランス人へのプレゼントで迷ったら、チョコレートを選べば間違いないでしょう。
フランスでは、バレンタインデーは、恋人、夫婦などのカップルがお互いの愛を確認し合う日。
プレゼントは、男性から女性へ贈るのが一般的です。
プレゼントの定番は、赤いバラの花。
2月14日夕方のお花屋さんは、バラの花を求める男性客であふれていて、初めて見た時は何事かと驚いてしまいました。
それ以外のプレゼントでは、香水、アクセサリー、ランジェリーなど。
バレンタイン=チョコレートの日本とは、だいぶ異なります。
レストランで2人だけでロマンティックディナー、というのも多く、街はハートであふれています。
まだまだ寒い日が続いていますが、春を告げる花ミモザがディジョンにも到着しました。